21 城下町をつくろう

選ばれるまちづくりに魅力の創出を

まちの再生が大きなテーマになっている。いわゆるニュータウン、住宅団地において、居住者の高齢化、若年層の流出が進み、空き家が増加している。

その再生について、あちこちで多くの取り組みが進みつつあるが、正直、外から見ると、そのまちの10年後、20年後の未来像を想像することは難しい。点在する空き家をどう活用するか、若い人をどのように呼び込むか、法規制にどのように対応するかなど、さまざまな課題を抱えること、その対策が難しいことなどは十分承知したうえで、その先を見たい。

今、都市の機能を集約する「コンパクトシティ」の動きが進む。「コンパクトシティ」が主に地方都市の中心部を想定するのに対し、中間山村や漁村をイメージした「スモールタウン」の考え方も提唱されている。規模感こそ違えど、一定区域のなかに生活に必要な機能を集約するという考え方は共通だ。

これからのまちづくりは、このような機能の集約が一つのポイントになろう。ただ、まち全体の活性化を考える時、単に行政サービスを中心とした施設だけではなく、医療施設や教育施設、図書館などの文化施設、さらに生活必需品が購入できる商店、さらにはエンターテイメント施設も生活を豊かにする。また、そこで暮らす人も、持続可能性や共生の視点から、さまざまな年代や世帯が混在することが望ましい。そんな城下町のような街づくりができないか。

個性あるまちが関係人口を創出する

城下町は、身分の違う人、職種が違う人、さまざまな人が集まり一つのコミュニティを形成し、その中で経済が回った。そしてシンボルであるお城。中心となるのは、行政のお役所でもいいし、寺社仏閣でも、駅でも、エンターテイメント施設でも、まちの人が誇りに思えるものであればいい。一つのスモールタウンでまちの機能を賄えきれなければ、少し離れたスモールタウン同士で補完し合うのもいいだろう。数百人から数万人まで、さまざまな規模の個性あるまちがあちこちにできたら―。地域で学校がどんどん廃校になり、バスや鉄道が廃線になるなか、そんな街づくりは夢だろうか。

「地方創生2・0」では、関係人口の創出を明確に位置付けた。特に若年層の流出が地域の活力を削ぐなか、流出を食い止めるだけでなく、そのまちに関わる人をどれだけ増やせるかが重要になる。選ばれる地域となるためには、まちの魅力をいかに高めるかだ。その魅力とは、生業があること、教育環境があること、医療福祉施設があることなども重要だが、何よりも、楽しみや豊かさなど、そのまちで暮らしたい、関わっていきたいという魅力をどれだけ打ち出せるかだろう。

規模の大小を問わず、新たな開発も既存のまちの再生も、そうした未来のまちの姿をみたい。