28 日本の“住”を輸出しよう

ハード、ソフトを含め和の建築文化をブランドに

本の住宅を“輸出する”動きが始まっている。新たな市場開拓にとどまらず、高性能・高機能な独自の技術開発、また、固有の住文化を含めた和の価値など、世界にもっと強く訴えていってよい。

今、住宅産業は大手の住宅メーカーやデベロッパーを中心に積極的に海外展開を図っている。国内市場が縮小傾向にあるなか、海外事業に重きを置く企業も珍しくない。国内の人口減少や少子高齢化などの構造的な課題を背景に、新たな活路を海外市場に見出していると言ってもいい。

日本が世界に誇るべき特徴の一つが、その技術力だ。工場生産による安定した品質、短工期などのシステム化された施工技術は、住宅不足が深刻な新興国にとって魅力のあるものだろう。また、職人不足に悩む国にとっては、パネル化やユニット化による省施工化、コスト削減、安定供給といった点が差別化となる。

加えて、地震大国である日本で発達した耐震性に関わる技術や、断熱性などの省エネ性に関わる技術は、高品質な住まいを求める国にとってソリューションとなる。

また、古来からの木造に関する技術も大きな武器だ。木造の合理化工法もそうだが、伝統的な木造軸組工法や、木材そのものの魅力を活かした意匠、和室などの空間構成は高い付加価値として認められている。和の精神性や職人技を活かした住まいづくりは独自のブランドとなる。

また、もしかすると「人」の輸出もあるかもしれない。国内でも足りないのに何をと言われるかもしれないが、日本の職人が持つ技ばかりではなく、現場管理から安全確保、マナーまで含めた建築文化の輸出は、相手国との長期的な友好関係に結び付きそうだ。

地域ビルダーや内装建具なども日本の住文化を世界に

海外事業の展開は、大手企業に限った話ではない。今、地域のビルダーなどもさまざまな取り組みを進めている。例えば、ライフデザイン・カバヤは、10年以上にわたりベトナムにおいて官民連携で木造住宅普及に取り組んでいる。現地法人を設立し建設を進めるだけでなく、ベトナム人大工の日本での研修などその育成も行っている。また、姫路市の宍粟住建は組立式茶室「清香庵」などを海外に輸出している。住宅事業者だけでなく、畳など日本の建具を輸出している事業者も少なくない。例えば、兵庫県伊丹市の老舗の畳店であるティティエヌコーポレーションは、欧米の展示会に継続的に出展し、ブランドの改良を重ね、海外の販売を拡大。フランスやイギリスといったヨーロッパ、タイやマレーシアなどの東南アジアなど幅広く販売している。

住宅づくりは、ハード=技術とソフト=文化が合わさってこそ。それらをすべて含めた日本の「住文化」を世界に向けて、住産業界をあげて広げていきたい。